矯正治療を始めるにあたり『早いに越したことはない』というのは当然ですが、それでは身も蓋もないので今回は歯科の世界から見た、患者さまのライフステージを意識した矯正治療について述べていきます。
矯正治療というとほとんどの方は
『見た目を良くするための治療』
と考えられていると思います
もちろん間違いではないですが
歯科の立場では機能面の改善というのも大きなテーマです
その視点で、下の2つの時期に分けられます
・混合歯列期(およそ6歳前後から小学生の間)
・永久歯列期(およそ中学生からシニアまで)
混合歯列期は矯正治療の第1期とも呼ばれます
男女差・個人差はありますが顔面周囲の骨格的な成長をしている真っただ中です
歯並びも生え変わりでどんどん変わります(歯への直接の装置は設置しづらい時期)
矯正治療というよりは
『咬合誘導』(良い咬み合わせ、機能を得ることで顔面周囲の骨格・筋肉の正しい成長を促す)
というイメージの方が合うでしょう
永久歯列期は矯正治療の第2期とも呼ばれます
男女差・個人差はありますが顔面周囲の骨格的な成長はある程度ひと段落ついた状況です
永久歯がそろい、生え変わりがなくなります(歯への直接の装置が設置可能となる)
ほぼ成長が終わった骨格の中で、最善の咬み合わせや見た目を目指していく矯正治療となります
一般的にイメージされる矯正治療はこちらとなります
若い方の方がリモデリングなどが早い
良いかみ合わせで自立したシニアへ(8020推進財団)より表紙の抜粋、改変
ベストは1期から取り組むことだと思います
ただし、1期は小さいお子さんが相手の治療となるので
親御さんがかなりしっかりサポートする必要があります
そういった意味では難しい治療となることも多くあります
現実的には2期から取り組むことの方が多くなると思います
2期は中学生~シニアとなるのですが
もちろん少しでも早いスタートの方が推奨されます
矯正治療をしている歯科医師の方なら多くの方が実感していることですが
若い方の方が歯が動きやすいです
また、永久歯の摩耗や治療痕、欠損が少なく
歯を並べたときに咬み合わせがきれいに決まりやすいです
とはいえ、当院では70代の方でもインビザラインによる矯正治療をされておられる方もいらっしゃいます
40~50代の患者さまもかなりの数がおられます
歯がそこまで失われておらず、進行性の歯周病でなければ
中高年でも矯正治療を行うことは不可能ではありません
それどころか、咬み合わせによっては
その時期からでも矯正をしたほうがいい
という方も多くいらっしゃいます
というのも、歯科の研究の結果
・良い歯並びの方は高齢になっても歯が残りやすい
・良くない方は歯を失いやすい
・良い歯並びの方はQOL(生活の質)、ADL(日常生活動作)が良好
という結果がわかってきているからです
思い立ったが吉日 という言葉がありますが
歯並びやかみ合わせに不安やご希望があれば
ご年齢関係なくまずはご相談されるといいと思います
残念ながら矯正治療ができない場合というのも存在します
①多くの歯が失われている方
②歯周病が進行している方
③ブラッシング状態が不良で、口腔環境が著しく悪い方
④骨格性の不正咬合の方
※外科処置をすれば可能な場合もあります
⑤装置を正しく使用できない方
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
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午前 | ○ | ○ | × | ○ | ○ | ○ | × |
午後 | ○ | ○ | × | ○ | ○ | △ | × |
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